始まりの一歩
2021/3/31
夏樹さんの活動30周年記念
緊縛&SMショー L
無事に終えることが出来ました。
もう2日経っていて正直驚いた。
今年の始まりに3/31にショーをやると夏樹さんから聞き、「蘭ちゃんは吊りを入れよう」と言われ、自分の胸には不安と興奮が入り混じった感情が芽生えた。
SMをする上で緊縛し、吊りまで行うことは相手の行動力を全て奪い支配する事でもある。
この行為が出来てこそ、女王様としての大きな一歩を踏み出せると思っていた。
ただ私は器用ではないし、不安も大きかった。
縛りの練習を見てもらいながら基礎が出来てない事に気がつき、何度も何度も本結びや基礎的な結び方を練習した。
芸の道とは基礎の賜物であると本当に痛感。SMも緊縛も基礎があってこそ。仕事が終わり家に帰り、ひたすら縄に触る時間を作っていた。
ショーの直前で腰縄を使うことを決め、ショーの2日前にガチっとピースがはまり、できる、やれると確信が持てた。本当にギリギリだった。
ショー当日。
メイクもしてもらい新しく作ったbondageをまとい、ゾーンに入っていく感覚。本当に痺れる大好きな感覚。
ショーに対して思っていた事は、まず観に来てくれた方々に何かを残し、それを持ち帰ってもらいたいという想い。
次に夏樹さんのSMと緊縛を受け継いでいく者として、しっかり自覚を持ってショーの中で時代を繋ぎたかったという想い。
そして最後に私のSMのテーマである慈愛を表現したいという想い。
ショーの前、不思議だけど不安も緊張もなかった。
その理由はここに辿り着くまで何度も練習し、夏樹さんにフォローしてもらい、緊縛を習う翔くんとも切磋琢磨し、着いてきてくれたパートナーの存在、色んな事が一つに撚られて一本の縄となり自分の中に在ったからだと、今になって思う。
ショーの最中の事は実は殆ど覚えてない。それだけあの世界に没頭して、陶酔していた。でも冷静にSMを縄をパートナーを見ていたのだけ覚えている。
あっという間の30分。
儚さと共にあった時間。
終わった後、私はようやくスタートラインに立てた気がした。
始まりの一歩を。
歩み始めた。